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2020.06.29

ネット販売を検討中なら必見!メディアコマースの特徴と成功の秘訣

コロナ渦で急速に進むこととなった、消費者のオンラインシフト。この流れを受けて、ネット販売を検討し始めた事業者の方もいらっしゃるかと思います。

とはいえ、オンラインでの販売体制を整えたからといって、必ずしも予想通りの収益が見込めるとは限りません。そこで鍵となるのが、本記事でご紹介する「メディアコマース」です。

今回は、メディアコマースの特徴と成功の秘訣について詳しく解説します。ネット販売に対応するべきかどうか、ぜひ本記事の内容を判断材料としてお役立てください。

メディアコマースとは?

メディアコマースをひと言で表すと、「メディア」と「eコマース」をかけ合わせたスタイルのことです。

情報発信と電子商取引の要素をひとつにまとめることで、従来よりも効率的な販売促進が可能になります。

メディア=情報を伝達するために用いられる手段や媒体のこと。今回のテーマでは、主にWebサイトなどを指す。

eコマース=オンライン上で行われる商品·サービスの取引や決済の総称で、電子商取引やネットショッピングとも呼ばれます。

再びメディアコマースが注目されている理由

そもそも、メディアコマースの流れが生まれたのは、eコマースにも多角化が求められるようになった2014年ごろのこと。それから少しずつ、EC業界全体へと浸透してきました。

昨今においても、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大を背景に、再びメディアコマースが注目されています。

ビッグデータの解析・分析を行う株式会社ナウキャスト、および株式会社ジェーシービーが発表した「3月下旬の国内業種別消費動向データ」によると、業種別消費指数(マクロ)の前年比がプラスとなっている業種はECのみです。

今後、さらなる需要の増加が見込まれるeコマース市場では、メディアコマースを導入しているか否かにより、命運が分かれることになるかもしれません。

メディアコマースのメリット

さて、ここまでメディアコマースの基本についてひと通りお伝えしてきましたので、ここからは特徴をご紹介していきます。

ECサイトに情報発信の要素をプラスすることで、具体的にどのような効果があるのか。まずは、メディアコマースがもたらすメリットを確認していきましょう。

1.商品の認知度·理解度が高まる

販売する商品の情報、および関連知識をユーザーに広く普及することで、商品に対する認知度・理解度の向上を期待することができ、収益へとつながります。

マーケティングにおける消費者の購買フローは、時代の変遷と共にさまざまな考えが提唱されていますが、いずれの場合も、興味や認知といった商品を知ってもらうためのステップが欠かせません。

また、関連知識などの有益情報を発信することで、ユーザーに商品を認知してもらうためのルートを増やすことができます。

2.ユーザーからの信頼獲得に繋がりやすい

自社商品の知識が乏しいセールスマンを信頼できない理由は明白だと思いますが、それほどまでに、顧客からの信頼獲得と専門性には深い結び付きがあるのです。

オンラインで商品を販売する側も、ユーザー側から見ると特定分野の専門家と言えるでしょう。そこで必要となるのが、専門性が高い有益情報の発信です。

ポイントは、発信する情報の内容が、ご自身の専門領域とかけ離れすぎないようにすること。ユーザーからプロフェッショナルだと認めてもらえるよう、適切なテーマ選びを心掛けましょう。

3.SEOの評価にも好影響を及ぼす

こちらは前述の話とも関連しますが、専門家が特定分野における有益な情報を発信することは、SEOの評価にも好影響を及ぼします。

Google LLCが公開している「Google検索品質評価ガイドライン(Google Guidelines)」の中には、「E-A-T」と呼ばれる評価基準があり、専門性・権威性・信頼性に足るコンテンツであることが、検索エンジンから高評価を受けるポイントのひとつだとされています。

E-A-T=Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・TrustWorthiness(信頼性)

昨今、頻発するGoogleのコアアルゴリズムアップデートの影響により、徐々にE-A-Tの重要度が増していて、“何を言っているのかではなく、誰が言っているのか”が注目される傾向が強めです。

2020年5月5日にもアップデートが行われましたが、現状では、どれだけ優良なコンテンツでも、個人ブログなどの上位表示はむずかしくなったという話も耳にします。

しかしながら、逆もまたしかりです。適切な専門領域の有益コンテンツをつくり上げることができれば、競合との差を広げることにも期待できるでしょう。

SEO(Search Engine Optimization)=直訳すると、「検索エンジン最適化」という意味。これを言い換えると、ユーザーが特定のキーワードで検索をかけた際、運営するWebサイトを検索結果の上位に表示させるために、GoogleやYahoo!をはじめとする検索エンジンからの評価を高める取組全般のことです。

メディアコマースのデメリット

メディアコマースは、事業の運営体制に大きな変革をもたらすものです。導入に伴い発生するデメリットについても理解を深めて、自社の適正判断にお役立てください。

1.Webサイトを運用する担当者の作業負担が大きい

まず、物理的なデメリットとして挙げられるのが、Webサイトの運用にかかるリソースの増大です。

これまでのECサイト運営業務に加えて行う情報発信で成果を得るためには、一定数の投稿量と更新頻度が求められます。そのため、より一層の時間と労力を投入しなければならず、担当者の作業負担は必然的に大きくなります。

2.SEOなどWeb関連の知識が必要

ECサイトの運営業務と、情報発信を行うメディアの運営に必要なスキル・知識は異なるため、学習する時間や適正な人材が確保できなければ、メディアコマースの導入はむずかしいかもしれません。

SEOやマーケティングなどのWeb集客に関連する領域はもちろんのこと、専門領域に関する知見や、良質なコンテンツ制作の肝である企画・編集力も必須です。

3.人的被害による企業損失リスクがある

メディアコマースの導入には、大きく分けて2種類の人的被害による企業損失リスクが伴います。

順調な運営ができていたとしても、以下のようなケースが発生してしまうと努力が水泡に帰す可能性がありますので、あらかじめ心得ておきましょう。

  • 高いWeb集客力を持つ担当者の転職・独立

これは仕方がないことかもしれませんが、Webサイトの運用担当者が転職、もしくは独立してしまうケースです。

特に、該当者以外に高いWeb集客力を持つ人材がいない場合や、長い年月や資金を投入して該当者にスキル・知識を習得させた場合には、深い痛手を負うことになります。

  • 不適切な手法を用いて制作されたコンテンツによる企業損失

あまり考えたくないケースではありますが、Webサイトの運用担当者が、他メディアからの画像盗用や、文章のコピペを行いコンテンツを制作してしまう可能性も考えられます。

このように、著作権の侵害や検索エンジンの裏をかくような行為は、事業者の社会的信用を著しく失墜させることになり、場合によっては訴訟に発展してしまうことも起こり得るでしょう。

数年前には、上場企業が謝罪会見を行うまでの事態になった騒動もありましたが、最悪の状況を避けるために、ぜひ忘れないでおきたいリスクです。

メディアコマースは”運営体制”が命運を左右する

前述したメディアコマースのデメリットには、いずれも人的要素が含まれています。つまり、成功の確率を少しでも高めるためには、Webサイトの運営体制が重要な意味を持つということです。

ディレクター・プランナー・編集者・デザイナー・カメラマン・ライター・外部専門家・マーケッター等
Webサイトの運用体制における役割例

メディアコマースを導入するのであれば、

  • 作業分担を明確にして、各担当者の負担を最小限に抑える
  • 十分な人材を自社で確保することがむずかしい場合には、外注を検討する

など、成功率を高めるために、可能な限りリスクを軽減させる対策を視野に入れておきましょう。